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きこえのバリアフリー2

ティーブレイク



突然、聞こえなくなった人の気持ちって・・・
 人との会話や音楽を、昨日までは当たり前のように聴いていた健康な耳。それが、ある日を境にして段々聞こえなくなっていく。あるいは全く聞こえなくなってしまう。その時の気持ちは筆舌に尽くしがたいものがあります。
 「なぜ自分が」という混乱状態に加え、不安や恐怖や孤独といった感情がどっと押し寄せてきます。治る見込がないことへの絶望、健康だった過去への執着、自らを障害者とは認めたくない気持ちなど、病気そのものだけでなく自分自身の個々のあり方とも戦わなければなりません。また、難聴により職を失うこともあり、この場合は社会的・経済的なものが精神を圧迫します。それでも、これらを乗り越えることは可能です。しかし、最後まで残る問題がコミュニケーションの取り方なのです。自分一人では解決できません。「大きめの声で」「はっきり」「ゆっくり」または「筆談で」など、会話の際にはどうしても面倒がられるなど、会話を拒否されてしまうことも少なくないのです。そんなとき、自分の存在さえ否定してしまうことも多々あるのです。
 以前、私たちは健康な耳を持ち、音を聞き分け普通に話しをしていました。現在も、聞き取りに難はあるものの自分から声を出す、話しをすることはできます。相手の話がうまく聞き取れない、ただそれだけの傷害なのです。
 街で、お店で、病院で。家族、友達、恋人と。そしてこの先会える、見知らぬ人と。私たちは可能な限り会話をしたいと、いつも願っているのです。
 少しだけ、あなたのコミュニケーションの力をお貸しいただけませんか。

宮城県・仙台市難聴者中途失聴者協会(旧名称)「なるほど『難聴』読本」より抜粋


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