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難聴者の明日NO.138 (松本隆一投稿)

難聴者の明日NO.138
2007年12月15日発行より

優秀勤労障害者厚生労働大臣表彰を授賞

特定非営利活動法人
みやぎ・せんだい中途失聴難聴者協会
理事長 松本隆一

自分のことを申し上げるのは大変、恐縮ですが、平成19年8月29日、「障害者の雇用の促進に向けて、より一層の理解を~平成19年度障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣表彰の受賞者 決まる!~」で厚生労働省から小生が障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣表彰の優秀勤労障害者となったことを報告いたします。
この全国表彰式は9月5日銀座松坂屋にて舛添要一厚生労働大臣本人のご出席のもとで行なわれました。
今年の7月頃に厚生労働大臣表彰の優秀勤労障害者の推薦の話を受けた時点では、私のような者が表彰されることには身に余ることであり、ご遠慮申し上げたのですが、勤務している(株)仙台銀行(以下銀行)ならびに私と同じく耳の聞こえにくい仲間や友人、私の家族や両親のお陰があったからと思い、これらの方々に対する感謝の気持ちとして受けることにいたしました。

振り返ってみると銀行に入行して以来、23年間、すでに退職された先輩方などを含め、職場の方々に対しては私の耳に障害があってご心配とご迷惑をおかけしたと思います。しかしながら、逆にご理解とご配慮をいただいたことでここまでやれたのではないかと思います。また、私と同じく耳の聞こえにくい仲間や友人からはくじけそうになったときに励ましの言葉と助言があり、家族には落ち込んでいる自分を受け止め、安らげるような家庭環境を作り、両親からは暖かい目で見守ってくれたお陰などがあったからこそ、この表彰は私にではなく、みなさんに差し上げたい気持でいっぱいでした。

これまで勤務するにあたっての、秘訣やコツがありますかと聞かれますが、簡潔に申しますと聞えなくても出来ることと、聞えないことで出来ないことをはっきり区別することが重要です。具体的には聞えなくても出来ることとはATM(現金自動預払機)、両替機、出納機等の機械の運用や管理、出納、夜間金庫、貸金庫など直接的、お客さまと接する場面が少ない業務はこなすこと。さらにこれら機械トラブルの処理が出来るようになるまでしっかりと対処する。強いて言えば、松本なら任せられると言われるような信頼感を得る。出来ないこととしては接客や電話の時にお客さまがゆっくりはっきり話す、あるいは自分のことをよく理解していただける方なら問題はないのですが、聞こえにくい、聞こえないときは無理をしないで速やかに他の担当者に交代するというようにしています。そうでないと、責任をもった仕事が出来ないだけでなく、最悪の場合、お客さまや銀行に大変な損害を与えることになりかねないからです。
また、「挨拶」、「感謝」、「お詫び」の言葉が当たり前のようにしっかりと出来ることも肝要です。

その他に詳しいことについては紙面の関係で、省かせていただきますが、これからも皆様からご支援、ご協力をいただきながら、勤めていくことになるかと思います。私は会社からみれば本当に小さな歯車だと思います。それでも、せいいっぱい回し、少しでも銀行や宮城県・仙台市に何らかの形で貢献できるように頑張っていきたいと思いますので、今後ともご指導、ご鞭撻のほどをお願いいたしまして感謝の言葉とします。
誠にありがとうございました。


                      


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